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面接の質問で問われるのは具体性。就活生が気をつけるのは何を答えるかよりも”どう答えるか”
2022.12.20

面接の質問で問われるのは具体性。就活生が気をつけるのは何を答えるかよりも”どう答えるか”


就活の面接ではさまざまな内容の質問をされますが、質問には、必ず何らかの意図があります。


「凄い実績をアピールしないといけない」と思われがちですが、面接官が確認したいのは就活生の凄い実績ではなく「人柄」です。


社風との相性や入社後の活躍イメージなど、書類だけでは把握できない就活生の人柄を確認するために面接を行います。


そのため、面接において就活生が気をつけることは「何を答えるか」よりも「どう答えるか」です。


面接の質問で意識すべきポイントとともに、よく聞かれる質問や面接準備に関して解説します。


就活で面接が行われる意図を解説


ほとんどの企業では、エントリーシートなどの書類選考だけでなく面接を行います。


就活で面接が行われる理由は、書類や試験だけではわからない人物像を理解するためです。


企業はどんなに優秀な人であっても、社風に合わない人はチームワークを乱す可能性があるため、採用を避けたいと考えています。


また、社会人としての礼儀が身についているか、どんな表情をして話すのか、円滑にコミュニケーションが取れるのかは、実際に面接で話さないとわかりません。


面接は書類だけではわからない部分を、企業側が知るために行われます。


面接の質問で意識すべきポイント


面接ではさまざまな質問を受けますが、回答内容以外にも意識しなければならないことがあります。


面接の質問で意識すべきポイントを解説します。


必ず面接官(質問者)の方を向いて話すこと


面接では回答内容だけでなく、礼儀や所作も評価されます。「やる気がない」「気力が感じられない」と思われると、評価が下がってしまうことも・・・。


相手の話を聞いているとわかるように、面接中は必ず質問をしている面接官の方を向いて話しましょう。


人と目を合わせることが苦手な場合は、相手の額あたりを見ると目が合っているように見えます。


基本は深く掘り下げてほしいことを盛り込んで簡潔に話す


話したいことがたくさんあるからといって、長々と回答するのはNGです。回答時間はだいたい30秒程度を目安にしてください。


話すときは「結論→理由→結論」の順番で、深く掘り下げてほしいことを盛り込んで簡潔にまとめましょう。


面接の質問で聞きたいのは、就活生の凄い実績や成果ではなく、その人の人柄がわかるような「具体的なエピソード」です。


優秀であればあるほどいいわけではなく、面接を通して「社風に合っているか」「チームワークを乱さないか」「自社で活躍できそうか」など、総合的な部分で就活生を見ています。


優秀なエピソードを選ぶことよりも、具体性のある答えを用意しましょう。



面接対策で準備すべきこと


就活準備中に行う面接対策は、質問内容の回答だけを決めておけばいいわけではありません。


当日に失敗しないために、どんなことを準備すればいいのか解説します。


質問を予習してどう答えるか考えておく


面接で受ける質問内容は、多くの企業で共通している項目がたくさんあります。


たとえば「志望動機」や「学生時代に頑張ったこと」など。多くのサイトで、面接でよくある質問としてまとめられている項目は多くの企業で実際に聞かれる質問なので、覚えておいて損はありません。


どんな質問をされるのか、予習をして対する答えを考えておきましょう。


声のトーン・ボリューム・話し方を練習


「声が小さい」「ボソボソと話す」「早口」など、聞き取りづらい話し方はNGです。やる気や周りへの配慮が感じられないだけでなく、何度も聞き直さなければいけない場合もあるので手間もかかります。


また、入念な面接対策を行っていないという印象も抱かれやすいです。


面接では、自分の言葉をハッキリと面接官に伝える必要があるため、聞き取りやすい話し方を練習してから臨みましょう。


答えられない質問が来たときの対策を考える


どんなに万全な準備をしていても、本番では予想外の質問をされることがあります。


たとえば「30円のもやしを1万円で売るにはどうたらいいと思いますか?」といった、突飛な質問です。


予め回答を用意できないような、突飛な質問をする企業は意外と多く、何社も連続して予想外の質問をしてくる企業に当たった就活生もいます。


予想外の質問が来ても無言のまま固まってしまったり、無理に答えようとして嘘をついたり、諦めて訳の分からない回答をしてしまうのはNGです。答えられないからといって一発で不採用になる可能性は低いですが、どう対処するかを評価する企業もあるので油断はできません。


もし、万が一答えられないような予想外の質問が来てもいいように、予め対処法をいくつか考えておきましょう。


・整理できないときは考える時間をもらう

・答えられる範囲で答える

・素直に「わからない」「思い浮かばない」と伝える


たとえ完璧に答えられなくても面接官の気分を害することはないため安心してください。


就活でよく聞かれる7つの質問と答え方を解説


多くの企業でよく聞かれる質問はいくつかあります。その中でもとくに多い質問を7つピックアップし、答え方について解説します。


1.自己紹介


まずは自己紹介です。新卒の就活では、以下の順番で答えるのが一般的です。


1.大学名+学部・学科名+氏名(すべて正式名称)

2.大学で学んだことor学業以外で活動したこと

3.その企業や業界への興味や魅力に感じていること

4.「本日はよろしくお願いいたします」などの挨拶


自己紹介は少し長めの1分程度が目安です。最初に問われる質問なので、面接中に深く掘り下げてもらいたいことを盛り込むと、後々質問に答えやすくなったり、自然に自己PRへの流れを作れたりします。


2.志望動機


志望動機は入社したいと思ったきっかけや、どのような活躍をしたいかを確認する質問です。


基本的にはエントリーシートに書いた内容を答えても問題ありません。ただ、入社したいという熱意を伝える部分なので、エントリーシートよりももう少し深い内容を入れるとさらによいでしょう。


・入社を志したきっかけ

・ほかの業界や競合他社ではなく、その企業でなければならない理由

・入社後にどんな活躍をしたいか、成し遂げたいことはなにか


そのほかにも、エントリーシートに書ききれなかったことがあれば、付け足してより濃い内容で答えられるように準備しましょう。


3.自己PR


自己PRは就活生の能力やスキルが仕事に適しているか、熱意、性格、考え方を知るための質問です。自分の魅力を存分にアピールする機会でもあります。


能力やスキルは多ければ多いほど優秀な印象を与えられますが、面接は時間が限られているため、アピールする内容はひとつに絞りましょう。


たくさんアピールしてしまうと結局何を伝えたいのか曖昧な回答になったり、印象が薄くなったりするからです。


自己PRの内容は、企業が求める人物像に近いものを選ぶとよいでしょう。


4.ゼミ・学科について


大学で学んだことを聞く質問ですが、どんなことを学んだかを聞いているわけではありません。学業を通じてどのような影響を受けたのか、どんな思いを持っているのかを確認するための質問です。


ただ学んだことを答えるのではなく、経験も一緒に答えるとよいでしょう。


・学んでいることは誰にでもわかる表現で説明する(専門用語・専門知識使わない)

・その学問に対する考えについて

・その学問を通じてどんなスキルを身につけたか


要点をまとめて簡潔に応えられるように準備しておきましょう。


5.学業以外について


学生時代は学業以外の部分でも学べることがたくさんあります。


・部活動、サークル

・アルバイト

・ボランティア活動 など


学業以外でどんな経験をして、その経験を通じてなにを得たのか確認するための質問なので、遊び要素の強い回答はしないように注意しましょう。


以下の3点を踏まえて答えるとよいです。


・なぜその活動をしようと思ったのか

・その活動で大変だったこと

・その活動を通じて学んだこと(スキル・実績・考え方の変化など)


エントリーシートに同じ項目がある場合は、書いた内容を中心に答えてください。


6.選考状況について


選考状況について聞く目的は、就活の軸と志望度を確認するためです。業界・企業選びで一貫した軸を持っているか、内定をもらったら入社してくれるのかを確認します。


選考状況については「答えにくい」「気まずい」と思うかもしれませんが、面接官も複数の企業を受けていることは最初からわかっているので正直に答えてよいです。


まずは、自分がどんな業界の企業を受けているのか就活の軸を示してから、選考状況について答えましょう。


ただし、不採用になった企業や受けている企業について、すべて正直に答える必要はありません。


「私はインターネット広告業界の企業を中心に就活しています。たとえば○○社などの面接を受けました」のように、いくつかの企業をピックアップして一例として紹介しましょう。


もし、最終面接などで入社意思を問われた場合は「入社する」と即答してください。悩んで間を作ったり、迷っている素振りを見せたりするのはNGです。迷いが見えた時点で内定は獲得できないと言っても過言ではありません。


7.面接官への質問


面接官への質問は最後にされるケースが多いです。終盤の出来事は印象が強く残る部分なので、逆質問で好印象を残せれば面接全体の印象がよくなる可能性があります。


まず、逆質問では必ず何らかの質問をしてください。「何もない」と答えるのは、熱意が感じられないためおすすめできません。


・志望度や熱意

・社風との相性

・コミュニケーション能力

・入社後の活躍イメージ


逆質問は自由度が高いからこそ、就活生の興味関心や知識、本来の能力を見極められる部分です。


まずは、企業研究で調べたことから気になる内容をリストアップしましょう。


・競合他社と比較する

・異質な事業内容を確認する(化粧品メーカーなのに食品部門があるなど)

・強いこだわりを見つける


なんでもいいので、「なぜだろう?」「なぜここが違うのだろう?」と少しでも疑問に思ったことを書き出し、その中からいくつか気になる内容に絞って質問を考えましょう。


質問をするときは、以下の順番に当てはめると簡潔に伝わりやすくなります。


1.結論:質問をそのまま言う「○○について教えていただきたいです。」

2.自分の考え:自分の意見を挟む「私は○○だと考えています。」

3.さらに深掘り:質問について深掘りした内容を加える「実際に○○はどのようになっていますか?」



面接の質問には具体的かつ簡潔に答えることを意識しよう


面接の質問には必ず何らかの意図があり、面接官がとくに確認したいのは就活生の人柄についてです。質問を通じて人柄を知ることで、熱意や社風との相性などを確認します。


「なにか凄いことを答えないといけない」「平凡な答えでは採用されない」と思われがちですが、大切なのは何を答えるかではありません。


自分の考え方や人柄が伝わるように「どう答えるか」が重要です。まずは就活対策として、面接官に人柄が伝わるように、質問に対する具体性のある答えを用意しておきましょう。